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斑鳩を巡る
自然散策うるおいの道
斑鳩の里から山へ入り、四季の移り変わりを感じながら森林浴で心を和ませ、 高台から望む斑鳩の里。大和の山々を見渡し、 大和平野を眼下に見おろす大自然散策の道を紹介します。
徒歩15分約1km
徒歩1分約80m
徒歩1分約80m
継子地蔵・石仏・極楽寺共同墓地〈松尾道沿い〉
現代でも、斑鳩町で一番大きい墓地である「極楽寺墓地」は、古くは「光明山極楽寺」という法隆寺に属するお寺でした(現在は廃寺)。 創建は定かではありませんが、残された文献からは、鎌倉期には存在していたものと思われます。 極楽寺墓地の入り口の地蔵堂の石地蔵には、1521年の銘があり、「継子地蔵」とも言われ、地域の昔話として二つのお話が語り継がれています。
〈継子地蔵の伝説〉
昔このあたりで、まま母がだんごを作りお地蔵さまに供えました。すると、山からカラスが来てだんごをさらっていきました。まま子はカラスの罪をきせられてしまいました。
そんな時、まま母がお地蔵さまにお参りしました。帰りかけると後ろから髪を引っ張られ、驚いて振り返りました。祠の軒につるした鰐口(大きな鈴)の紅白の紐が髪に巻きつき、振り離そうとすると、一層巻きつきます。たまりかねて「助けてぇー」と大声を出しました。
叫び声を聞いてお寺から院主さんが出てこられて、念仏を唱えてお祈りをされると、髪はまま母の頭にもとのようにおさまりました。
それからは、まま母の心がすっかり改まりやさしい母親になったとのことです。
〈飯乞(ままこい)地蔵の伝説〉
このお地蔵さんは、左手に大きなニギリメシをお持ちでござる。人が死ぬと枕元に一膳飯(いちぜんめし)を供えられる「一膳飯だけでは、あの世へ死出の旅路も腹が減り心細かろう。ニギリメシを乞うならば、わしがここで進ぜよう」と、墓地の入口におられるという。
なお、斑鳩町役場前国道の南側の「日切地蔵」にも、継子地蔵の伝承があります。
また、極楽寺共同墓地は、古くから近郊の人々の先祖代々の墓地となっています。
徒歩6分約450m
ほとけつかこふん仏塚古墳 〈松尾道沿い〉
法隆寺の裏山をこえた谷あいの水田の中に残る古墳です。周囲は削られていますが、昭和51年の発掘調査の結果、一辺約23mの方墳で、6世紀末築造と推定されています。
内部はすでに盗掘を受けていますが、横穴式で、石室には亀甲型陶館が置かれていたとみられ、副葬品では、縄文・弥生の土器、古墳期の馬具・耳環(イヤリング)・刀子などが出土しました。また、飛鳥~平安期の土師器・須恵器・土馬、中世の小金銅仏や塑像片・花瓶や六器なども見つかったことから、中世になって石室が仏堂として再利用され、仏教の儀式が行われていたとみなされ、「仏塚」との名がついたとされています。近くにはその成立が鎌倉時代と考えられている極楽寺があり、それとの関係が指摘されています。
なお、法隆寺の北方にひろがる小丘陵には、6世紀から7世紀にかけての古墳が点在しています。7世紀と言えばまさに聖徳太子が斑鳩へ進出し、その後約半世紀にわたり上宮王家による活躍があったことから、斑鳩宮との造営時期が近接する上、斑鳩宮を臨む立地であることなどの点から、仏塚古墳の被葬者と上宮王家との関連を指摘する意見もあります。
徒歩3分約250m
松尾山詣りの道
古の斑鳩人は「まつおのさん詣り」といい、歩いてお参りをしました。 松尾寺までは、法隆寺東大門から、全長1.7㎞の道。 松尾寺は松尾山の中腹にあるお寺で、緩やかなトレッキングコースとなっています。
徒歩35分約2.3km
まつおでら松尾寺 〈松尾道沿い〉
松尾寺は、低い山並みが続く矢田丘陵の南寄り、松尾山の中腹にある日本最古の厄除霊場で、718(養老2)年に天武天皇の皇子・舎人親王の建立と伝わっています。修験の寺としても名高く、三重塔・十三重石塔・七福神堂・行者堂などがあり、鐘楼の大きな鐘は誰でも自由に撞くことができます。また、小高い所に水の神様・松尾神社があり神仏習合の姿を今に残しています。
境内には、春は雪柳・桜、初夏には皐月・薔薇、夏のカサブランカ、秋は紅葉が美しく、それぞれの季節を楽しめます。
なお、いにしえの松尾道は、法隆寺東大門より松尾寺まで、参拝・境内散策の時間も含めて往復2時間ほどで、人気のウォーキングコースとなっています。
https://www.pref.nara.jp/3059.htm">松尾寺周辺ハイキングマップ
徒歩45分約3km
天満池
池の前にある「斑鳩神社」が、古くは「天満社」と呼ばれていたことから「天満池」と名づけられました。 古くは、1100年ごろに築造されたと「法隆寺別当次第」に記載されています。 江戸時代前期に、竜田藩主・片桐氏により大きく改修されたようです。 またここは、夕陽に染まる法隆寺五重塔の撮影ポイントにもなっています。